民間信仰

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高雄内供奉(たかおないぐぶ)

高雄内供奉(たかおないぐぶ)

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高雄内供奉

【別名】
真済(しんぜい)、高雄僧正、柿本僧正など

【ご神徳】
不明

【伝承地】

奈良県、京都府など

【継続】

不明

【鎮座】
影現寺(奈良県葛城市・ただし開祖として)

【解説】

名前の解説

高雄内供奉真済という名前の僧である。
それぞれの名前には意味があって、「高雄」と「内供奉」に分割できる。
高雄とは京都の地名であり、真済が十二年にわたり修行を行った神護寺からとられている。
内供奉は宮中に奉仕し天皇の御斎会(国の発展や、五穀豊穣を祈願する会)の読師(経文、題目を読み上げる役)などを務める高徳の僧のことを言う(三省堂 大辞林より)。
とどのつまり、高雄内供奉とは神護寺で修行を行った高徳な僧であるということになる。

真済という人物について

真済は歴史的にはあまり有名ではないが、空海の弟子としてその才能を発揮している。
その中でも「性霊集」という空海の漢詩をまとめたものは有名かもしれない。
また、僧正に任命された時は師の空海よりも上の地位に自分が行くのは申し訳ないとして辞退していることから、非常に謙虚な人間性が伺える。

天狗としての説話

さて、この真済は死後天狗として現れる説話が存在している。それは、このような説話である。

 時の皇后が天狗に取り憑かれていて困っていた。高名な僧が色々と頑張ってみたが成果は得られなかった。
天台宗の相応という僧も最初は対処できなかったが、夢の中に出てきた不動明王が天狗の正体を教えてくれた。
それによって、天狗は降伏するのだった。

この説話は「拾遺往生伝」などに収録されているが、六道輪廻の世界観が提示されている。詳細は省くが、簡単に言えば「人の魂が六つの道を輪廻する」という意味で、ここに新たな道として「天狗道」を提示しており、ここに落ちた僧が天狗という妖怪になり人に取り憑くなどの悪さをするというものが提示されている。
またこの説話は言い換えれば「天狗化した真言宗の僧を天台宗の僧が打ち負かした」とも考えられ、当時の天台宗の優位性を見せるという意図もあるのかもしれない。

■この神様に関連する主な神話

【挿絵解説】
紺青色の鬼とも、天狗とも言われる彼の姿をイメージして描きました。
【参考資料】
(文章参考)平家物語、大辞林、影現寺ほか
(挿絵参考)平家物語ほか