古事記・日本書紀の神様

古事記・日本書紀の神様

豊玉姫命(とよたまひめ)

豊玉姫命(とよたまひめ)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

豊玉姫
【別名】
豊玉毘売命、和多都弥豊玉比売、
與止日女命(豊玉姫ではなく神功皇后と同一神とも伝わっています。)

【ご神徳】
ご神徳、結縁、安産、育児、海上安全

【伝承地】
宮崎県日向市

【継続】
大綿津見神(父)、玉依毘売命(妹)、山幸彦(夫)、鵜葺草葺不合命(子)

【鎮座】
鹿児島神宮(鹿児島県霧島市)、豊玉姫神社(鹿児島県川辺郡)、益救神社(鹿児島県熊毛郡)、與止日女神社(佐賀郡大和町)

【解説】
神武天皇の父である鵜葺草葺不合命を出産された女神。
大綿津見の娘であり綿津見の宮へとやってきた山幸彦と結ばれて無事に鵜葺草葺不合命を出産なさいますが・・・

豊玉姫命と山幸彦出会い

山幸彦は豊玉姫の夫にあたります。
その出会いは古事記の神話で次のように語られています。

昔々、海幸彦と山幸彦という兄弟が暮らしておりました。
海幸彦は海で魚を捕り、山幸彦は山で獣を狩って暮らしていました。

ある日、弟の山幸彦は兄の海幸彦もつ釣り針を借りて釣りをしていたのですがその釣り針をなくしてしまいます。

それに怒った海幸彦をどうにかなだめようとしますがうまくいかずに海のほとりで泣いていると鹽椎神という老人に促され綿津見神の宮殿へ向かいます。

そこで豊玉姫と出会い結ばれました。
綿津見の宮殿で兄の釣り針を見つけた山幸彦は綿津見から二つの珠をもらい豊玉姫を連れて地上に帰ります。

綿津見からもらった珠を使い兄を従えてたということです。

豊玉姫の出産

懐妊され臨月を迎えた豊玉姫は出産が迫ると海辺の渚に鵜の羽を茅葺きの材料として産屋を作り「お産をする私の姿を消して見ないで下さい」と山幸彦に言い残し産屋に入っていきます。
ところが好奇心が勝ってしまい山幸彦は産屋の中を覗いてしまうのです。

そこにいたのは身をもがく巨大な八尋和邇でした。

覗かれた事を知った豊玉姫はそれを恥じて子供を残し海神の国との境界を閉じて綿津見の宮へと帰ってしまいます。

豊玉姫と山幸彦との別れ

山幸彦と別れた豊玉姫は妹の玉依毘売命に鵜葺草葺不合命の世話をするようにと地上へ送り込みます。
玉依毘売を送り出す際、豊玉毘賣は山幸彦への歌を託した。

「赤玉は 緒さへ光れど 白玉の 君が装ひし 貴くありけり」
※赤玉はつけている紐の緒もかがやいているように見えるほど美しい。しかし、あなたはまるで真珠のように高貴に輝いています。

その歌を聞いた山幸彦はこのような歌をお返しになりました。

「沖つ鳥鴨著く嶋に 我が率寝し妹は忘らじ 世の尽も」
※鴨の寄りつく島でともに寝た愛しき妻よ。私は貴女を忘れはしない。たとえこの世が終わってしまっても

豊玉姫の神名

豊玉姫とは玉のように見目麗しい女神を意味すると共に魂の依り憑く女神との解釈もされています。
また、豊玉という名前から勾玉の一大産地であり海人族であったとされる出雲系の姫であるとの指摘があります。

■この神様に関連する主な神話
豊玉毘賣「古事記」
海幸彦山幸彦「古事記」

【挿絵解説】
本来の姿は和邇(鮫など諸説あり)であるという記述から、背景に鮫の影を入れています。
紅白の珠は、トヨタマヒメが山幸彦に送った「赤玉は 緒さへ光れど 白玉の 君が装ひし 貴くありけり」という詩から。

【参考資料】
(文章参考)
古事記、先代旧事本紀
(挿絵参考)
古事記、日本書紀