古事記・日本書紀の神様

古事記・日本書紀の神様

罔象女神(みつはのめのかみ)

罔象女神(みつはのめのかみ)

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ハノメ
【別名】
罔象女神・厳罔象女(日本書紀)、弥都波能売神(古事記)、水波能賣命、彌都波能売神、

【ご神徳】
灌漑用水の神、井戸の神、安産の神

【伝承地】
なし

【継続】
イザナミ (親)

【鎮座】
丹生川上神社 中社(奈良県吉野郡)、室生龍穴神社(奈良県宇陀市)、籠神社奥宮・真名井神社(京都府宮津市)、椿大神社(三重県鈴鹿市)、賀茂別雷神社 末社・川尾社熊野本宮大社(和歌山県田辺市)、闘鶏神社(和歌山県田辺市)、越木岩神社内 御神水所(兵庫県西宮市)など各地の神社境内社として水に関する神として祀られているケースが多い。
【解説】

みつはのめのかみの誕生

記紀にみつはのめのかみの誕生の場面がありますが、それぞれ少しづつ記述が違っています。

いざなぎといざなみの国生みのお話しの中で、みつはのめのかみは登場します。

【日本書紀/神代紀】

日本列島となる十四の島々をお生みになったいざなぎ・いざなみは、
続いて「石の神」「海の神」「風の神」「木の神」など、順調に神々をお生みになっていきました。

しかし、火の神・火之迦具土(ほのかぐつち)を生んだことで、いざなみは女陰を焼かれ致命傷を負います。

嘔吐されたところ、それが自然と「金山彦(かなやまひこ)」という神になりました。
次に小便をされ、それが自然と「罔象女神(みずはのめのかみ)」という神になり、
大便をされ、それが自然と「埴山媛(はにやまひめ)」という神になりました。

【古事記】
火の神をお生みになったことにより女陰を焼かれてしまったいざなみが生んだ神々は日本書紀よりも多く、

・吐瀉物から生まれたのは、
金山毘古神(かなやまびこのかみ)金山毘売神(かなやまびめのかみ)

・尿から生まれたのは、
和久産巣日神(わくむすひのかみ)彌都波能売神(みつはのめのかみ)

・大便から生まれたのは、
波邇夜須毘古神(はにやすびこのかみ)波邇夜須毘売神(はにやすびめのかみ)

となっています。

【日本書紀/神武天皇(即位前紀)】
神武天皇が顕斎(うつしいわい)という祭事をされた時、斎主である厳媛(いつひめ)が供えた水を「厳罔象女(いつのみつはのめ)」と名付けた、という風にも書かれています。

語源

「ミツハ」「ミズハ」の語源は「水が走る」「水が這う」というところからきており、
灌漑のための引き水のことを指したものとされる説や
「水つ早」ということで、水の出始め(泉、井戸など)のことだという説があります。

各地に祀られているみつはのめ

「水」というのは、人間にとってなくてはならぬもの、
農耕民族である日本人にとっては、田畑を耕し実りを得るためにも非常に重要なものでした。

各地の神社の境内社・水神社として小さいながらもお祀りされているケースが非常に多いのは
人が生きるために「水」というものがいかに大切かを物語っています。

このように、人の営み・農耕と結びつきが強い神であるとともに、
場所によっては安産の神とされていることもあります。

これは「水」というのが生命の源であり、
また、大いなる母神であるいざなみより生まれた神だというところからもきているのではないかと推察されます。

■この神様に関連する主な神話
国生み-黄泉の国-

【挿絵解説】
水の神様なので全体的に青色、ハイライトの黄色はイザナミの尿から生まれたのでそこから。体にある、ひらひらした髪や模様は地を這う水をイメージしています。
【参考資料】
(文章参考)古事記・日本書紀
(挿絵参考)古事記・日本書紀