古事記・日本書紀の神様

古事記・日本書紀の神様

宇麻志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこじのかみ)

宇麻志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこじのかみ)

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umashi450
【別名】
可美葦牙彦舅尊(うましあしかびひこじのみこと)

【ご神徳】
健脚・足に関する病・旅行安全・交通安全

【継続】
なし(古事記、日本書紀に記載なし)

【鎮座】
蟻通神社(大阪府)
高見神社(福岡県)
物部神社(島根県)
出雲路幸神社(京都府)
間山豊富神社(長野県)

【解説】
『古事記』
八百万神に先駆け、天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神の造化三神の次に生まれた神。次に生まれた天之常立神を加えて別天神。
『日本書紀』
一書では、最初に生まれた神。
他の一書では、天常立尊の次に生まれた神。

生命力を神格化した神

「次に国稚(くにわか)くして、浮かべる脂(あぶら)の如くして水母(くらげ)なす漂(ただよ)える時に、葦牙(あしかび)のごと萌え謄(あが)る物に因りて成りませる神の名(みな)は、宇麻志阿斯訶備比古遅(うましあしかびひこぢ)の神。次に天(あめ)の常立(とこたち)の神。この二柱の神もみな独神(ひとりがみ)に成りまして、身(み)を隠(かく)したまひき。」

国、大地が若く、水に浮かんだ脂のように漂っていた中、葦の芽がつき出したようなものから最初に誕生した。
「宇摩志」は立派な、「阿斯訶備」は葦の芽、「比古」は男性、「遅」は男性あるいは泥を表わし、 泥の中から生き生きと延びる葦の芽のような、生命力を神格化した神。

日本書紀 巻第一
神代上第一段 一書第二

物部神社の御神紋「ひおい鶴」

物部神社の御祭神「宇摩志麻遅命」は石東の地を平和な豊かな地域とするため、鶴に乗って御降臨されました。その山を鶴降山といい、山頂には今も国見をされた場所と伝えられる遺跡が保存されている。国見をした際に、平和な穏やかな里「安濃郡(旧大田地方)」と名付けた。 この鶴に乗って勝運を運んできた神にちなんで真っ赤な太陽を背負った鶴を全国で唯一この物部神社の御神紋と定められた。

【参考】
独神として生まれ、身を隠した。別天神という。
『古事記上巻』
五柱の神は性別はなく、独身のまま子どもを生まず身を隠してしまい、これ以降表だって神話には登場しないが、根元的な影響力を持つ特別な神である。
神世七代の一代目として、天御中主尊と共に誕生する。
『先代旧事本紀 巻第一 神代系紀』

生成化育(育成・繁栄)の神。

【挿絵解説】
葦が芽吹くような生命力に満ちた神様ということで、葦が群生しているところで清浄さをまとったイメージで書いてみました。
【参考資料】
(文章参考)古事記、日本書紀、先代旧事本紀
(挿絵参考)古事記