民間信仰

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アラハバキ

アラハバキ

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アラハバキ
【別名】
荒覇吐、荒吐、荒脛巾

【ご神徳】
足の神、下半身の神、守護神(後述)、客人神(それと及び足の神の発展として旅の神とも考えられる。後述)

【伝承地】
東北~東海地方に点在

【継続】
不明

【鎮座】
荒脛巾神社(宮城県多賀城市・リンクなし)、大宮氷川神社(埼玉県さいたま市) ほか

【解説】

謎の神、アラハバキ

アラハバキは民間伝承の神であるが、その起源には不明な点が多く、歴史的経緯や信憑性については諸説ある。
ただしアラハバキを祀る神社は全国各地に見られ、その説は様々。下記にて、その説の一部を列挙する。なお、この説は全国各地でみられることもあれば、地方或いは神社に限定してみられることもある。詳細は各項にて記述している。

1.足腰の神
2.製鉄の神
3.守護神
4.外来の神を祀る客人神、それと1の発展として旅の神

ほかにも様々な説が存在するが、別時代に書かれたフィクションであったりその根拠が曖昧なものなどである。結論から言えば、アラハバキは見出しとおり、謎の神である。

足腰の神、及び旅の神アラハバキ

上記に挙げた四つの説を順々に見ていくこととする。先ず、最初に足腰の神。また、これに関連して旅の神について。
脛巾(はばき)と呼ばれる足に巻く脚絆を社につけることで旅行の無事を祈る道祖神的信仰があるといわれている。また、アラハバキはこの脛巾からきているのではないかともいわれている。(今では靴を奉納することもある)

製鉄の神、アラハバキ

アラハバキは製鉄の神ともいわれることもある。鎮座項に明記した荒脛巾神社の北方に砂鉄の産地があったこと及び時にアラハバキが片目で描写される(製鉄作業で目を傷めることが多かった?)ことから考えられているが、必ずしもアラハバキを鎮座しているすべての神社でそれがあるわけではない。

守護神、アラハバキ

アラハバキは大きなカテゴリでいえば民間信仰の神である。しかし本来は守護神として祀られていたものとも考えられており、城の近くにアラハバキを祀る神社がある場合が多い。
また、荒脛巾神社には男根が奉納されており、前述した旅の安全のみならず子孫繁栄を主とした村の守り神としての一面を見ることもできる。

客人神、アラハバキ

客人神について簡単に説明すると、『神社の主神に対してほぼ対等或いはやや低い地位にあり曖昧な関係にある神格』である。また、その土地に定着してから比較的時間の浅い段階の状況を示しているともされている。
簡単に理解しやすい説明を行うため、実際にある神社で説明を行う。大宮氷川神社(前述)には門客人神社と呼ばれる神社が存在する。その神社は江戸時代まで荒脛巾神社と呼ばれていた。では、なぜ名前が変わってしまったのだろうか?
今の名前は外部からの来訪者である客人神=出雲の神がもともとの地主神=アラハバキと主客転倒したものである。東北地方以外ではこのように主客転倒されているケースが多い。

文章:巫夏希
挿絵:伊助